
時はあっという間に流れ、次の年の秋がやってきました。
穏やかな風が吹いています。
あれからも、彼が作ったランプは作っては売れを繰り返し、いつしかランプ屋さんの噂は街中に広がっていきました。
ある人は、浜辺に素敵なランプ屋さんがあるんだと言い、
ある人は、そんなものは見たことがないと言いました。
そして誰かが言いました。
「ランプ屋さんは必要な人の前にとつぜん現れるのさ。」
「不思議なランプ屋さんだ。」
小屋からは毎日、優しい温かい灯りがもれていました。

ある日、彼は木材を調達すると、部屋をもう一つ作りました。
猫と一緒に、ここに住む為です。
そして、古びた看板を新しくつけかえました。
新しい看板は、【Ipu Lamp 工房】です。
「さあ、仕上げだ。」
猫にそう言うと、彼は軒先にランプをひとつ吊り下げ灯りをともしました。
「もし魔法が消えてしまう日が来ても、これからはずっと一緒だよ。」
すっかり涼しくなった風に、ランプが揺れています。
ふたりは嬉しそうに見つめあいました。

その日の夕空は、時間と共に濃いピンク色に染まり、
海を、浜辺を、彼らを、そしてランプ屋さんを…
そこにあるすべての物をピンク色に変えてしまいました。
それはまるで、この小屋と初めて出会ったあの日のようでした。
こうして、もふもふ部長とマーシーは、
今でも魔法に満ちた工房で物語の続きを、
そしてランプを作り続けているのです。
追伸 :誰かの優しさがまた誰かにつながり、世界中に広がっていきますように。
工房の案内人 マーシー
